Prologue 〜 プロローグ

plum春の日差しが暖かな日、私は車でとある神社の沿道を走っていた。

沿道の両側に等間隔で植えられた梅の木々の間をゆっくりと走る。平日というのに陽気がいいせいか少し混雑している。前の車が止まったのでブレーキペダルを踏む。

ふと運転席側のウインドウに視線を向けると一本の梅の木が。見上げると春の柔らかい光の中に濃いピンクの小さな花びらが青い空を背景に、まるで一枚の写真を見るように目に映った。

ため息が出るほど美しい。思わず、”なんてきれい・・”と一人車の中で呟いた。

その夜、不思議なことが起こった。
どこかで聞いたことがあるような懐かしく優しい声が私に語りかけ始めた。
その声を聞いた瞬間、魂が震えなにか暖かく大きなもので包まれたようで涙がとめどなく溢れだした。マリアさま・・・

”あなたが今日、”きれい”と云って梅の花を讃えたとき、天上界では拍手喝采でした。
ここまでよく来られました。さあ、出航です。”

 

 

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